サテレ=マウェ族とサシハリアリの奇妙な関係
サテレ=マウェ族とはブラジルで生活する部族であり
サシハリアリは文字通りアリの一種です。
この2つの間には
実は切っても切れない関係があったのでした。
先日
猛毒研究の第一人者である生物学者の
クリスティー・ウィルコックスさんが
「毒々生物の奇妙な進化」という本を
出版しました。
その中で
ジャスティン・シュミットという昆虫学者が
「刺されると痛いランキング」を発表しています。
ジャスティン・シュミットさんは
1947年生まれ、有名な昆虫学者であり
アリやスズメバチ、クモなどの生物の生態を
研究しています。
2015年にはイグ・ノーベル賞も受賞しています。
この「刺されると痛いランキング」は
実際に自分の体を使って
刺されたり噛みつかれたりして
痛みを体感するという恐ろしい方法で評価しており
その痛みを0.0から4.0の間の数値で表していますが
「4.0+」の1位に輝いたのが
サシハリアリだったのです。
その痛みをシュミットさんは
このように表現しています。
「かかとに8センチの釘を打って
真っ赤な炭の上を歩くようだ」
想像しただけで痛そうです…。
実験時には何か合った時のために
医者も同席しているだろうと予想されますが
それにしても恐ろしいことを実行するものですね。
サシハリアリは
ニカラグアからパラグアイの
湿潤な低地多雨林に生息しているアリで
ペプチド性神経毒のポネラトキシンが
含まれているとのこと。
もう何のことやらサッパリわかりませんが
とにかく激痛の原因ということだけはわかります。
なんとコヨーテ・ピーターソンという人が
このサシハリアリに実際に刺されてその様子を
YouTubeにアップしています。
良い子の皆さんは真似しないようにお願いします。
その痛みは24時間継続すると言われています。
ところが
世界には様々な人がいるようで
このサシハリアリに噛まれることが
世人の証であるとする民族がいます。
それが「サテレ=マウェ族」です。
サテレ=マウェ族はブラジルで生活している部族で
成人の証としてこのサシハリアリが詰まった袋に
手を入れて10分間耐える儀式を行っています。
想像しただけでも痛いです。
絶対にやりたくありません。
でも
もしこの部族に生まれて
子供の時からそれが当り前の生活をしていたら
特に疑いもせずに儀式をやるんだろうなと
考えてしまいました。
先程の「ポネラトキシン」ですが
医療に活用できないかと
研究が進んでいるようです。
毒をもって毒を制すではないですが
医療の発展につながればいいですね。
◆クリスティー・ウィルコックス公式サイト